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キャッシュフロー認定講師の渡辺です。
運転資金というと、一般的には「設備資金以外で資金使途が自由な資金」という認識がされているように思われますが、実際のところ、金融機関はそんな単純に運転資金を判断していないということをご存知でしょうか。
本日は「運転資金」の認識の違いについてお話したいと思います。
運転資金には
①経常(正常)運転資金
②増加運転資金
③決算資金
④季節資金
などがあります。
金融機関にとって「運転資金」というと、一般的には①経常(正常)運転資金のことを指しているという理解でよいでしょう。
創業時の運転資金については“当面3か月間の仕入+販管費”というイメージがあり、これを「運転資金」と理解している事業者の方も少なくありません。
今回は、金融機関の視点である運転資金、つまり
①経常(正常)運転資金 について説明いたします。
「経常(正常)運転資金」とは?
経常(正常)運転資金とは、
企業の正常な操業状態における適正な
『棚卸資産・売上債権・仕入債務金額』
に見合う資金のことをいいます。
単純にいいますと、
「支払いと回収のズレを埋める資金」のことです。
計算式は以下のとおりとなります。
<計算式>
=売上債権(受取手形+売掛金)+ 棚卸資産 – 仕入債務(支払手形+買掛金)
つまり仕入の支払いが、
売上回収よりも先にやってきた場合に、この間資金が必要になります。
この穴埋めをするのが「経常(正常)運転資金」なのです。
金融機関としては、「経常(正常)運転資金」なら貸しやすいのか?!
仕入のある事業などを営んでいると、どうしても資金の穴埋めが必要となります。
事業が拡大すれば増加運転資金として応需することは、
金融機関としては資金使途が明確なので貸しやすい傾向にあり、
積極的に実施しています。
ちなみに、「短期継続保証」という保証制度もありますので、
取引先金融機関及び信用保証協会に確認してみてください。
企業側も「経常(正常)運転資金」の定義を理解しておく必要があります。
また、金融機関が「短期継続融資」の可否を判断しやすいように、
試算表・業績予想・資金繰り表等を作成し、
受注状況や事業現場の実地調査等をしてもらい、
自社の業況や実態をより詳細に把握してもらうように、
密にコミュニケーションを図ることをお勧めいたします。