皆様こんにちは、山口です。
私は1月で独立後22年目に突入しました。
この22年間は失敗の連続で、苦しい思い出しか浮かんできません笑
でもこうやって会社を続けられたのも、たくさんの方々に支えられ、教えをいただいてきたからだと心から感謝しています。
今回はそんな22年間の経営経験から、経営者として必要なスキルについて考えてみました。
経営者に必要なスキル
それは、ずばり今現在会社が理想的な目標に向かって正しく進んでいるかどうかを把握できる力です。
具体的に言うとそれは『計数管理能力』です。
我々経営者は独立して会社を立ち上げた時というのは何かしら自分自身の腕に自信があって独立したのではないでしょうか。
ただ実際に経営をやってみると、考えることやることがいろいろとありますよね。
法律、コンプライアンスだったり、リスク管理もあります。人を採用したらその採用後の教育や労務管理も出てきます。
人が増えてきたら仕組み作りも必要ですし、当然資金繰りも考えなければなりません。
経営者となった以上、それらの様々な能力が必要になりますし、それらをきちんと学んでいかなければなりません。
そう考えた時に、実は自分自身が自信のあったことというのは、経営全般でいうと全体のほんのわずかしか効果を成さないということを体感しました。
その中でも特に見落とされがちなのが先ほどの『計数管理能力』なのです。
計数管理能力
「社長毎月数字を見ていますか?」とお聞きすると、
「まぁ見てるよ・・・」という方が多いのですが、
「では、内容まで把握されてますか?」と聞くと
「内容に関しては税理士に任せてる」「内容に関してはうちの経理に任せてるから大丈夫だよ」
とおっしゃる経営者がほとんどです。
しかし、その考えやスタンスこそ危険であると思っています。
もちろん、数字を細かく計算したり集計したり、それを報告するための書類を作ったりするような、いわゆる売上を生まないような時間はもったいなく、経営者がやるべきではないと思います。
そのような仕事こそ、税理士の先生や経理の方にお任せすればいいと思うのですが、重要なのはその方々が出してくれた資料を見て“今自分がどの状態でどこの位置にいるのか”ということを明確につかみ取れないといけないということです。
それがわからないと軌道修正もかけられませんし、ましてや次の戦略というものも考えづらいですよね。
そしてまた、今何をすべきかという優先順位も立てづらくなります。
なぜかというと、今自分の会社がどの位置にいるのかということがわからないからです。
これを私は、よく旅に例えます。
皆さんが行きたいところを設定します。例えば東京から北海道に行こうとします。
行き方にはいくつかの方法がありますよね。
船で行く方法もあれば飛行機で行く方法もあります。
また、電車でも行けますし車で行くということも可能でしょう。
時間があれば自転車でだって行くことができますよね!
このように、行き方だけでもいくつかの選択肢があります。
まずこの方法を選択するのは経営者ですよね。
選択するためには、何日間の行程なのか、どのような交通手段が良いのか、予算は?など様々なことを考慮し、多分“旅のしおり”のようなものも準備されるのではないかと思います。
また、手元にはきっと地図もありますよね。地図があるからこそ、迷うことなく目的地まで行けるのではないでしょうか。
では同じような考え方でちょっと会社に置き換えて考えてみましょう。
計数管理能力 会社の場合
会社が目指すべき方向性、経営者の夢や目的を果たすために。
・手元の資金をどれくらい蓄えないといけないのか
・借金をなくさないといけないのか
・どれくらいまで企業価値を高めていかないといけないのか
などの目標を設定することは可能です。なぜかというとご自身の目標なので。
重要なのは、その目標までどのように進んでいくのかという計画を立てなければいけないということです。
この計画というものは「利益計画書」であったり「事業計画書」と呼ばれるもので作ること自体は簡単です。
おそらく皆さんの中でも多くの方が計画書というものを持たれているのではないかと思います。
ではその計画書を旅のしおりと同じように考えた場合、今現在どこまで進んでいるのかということは把握できていますでしょうか。実はここが非常に重要なのです。
旅行であれば定期的に地図や旅のしおりを見ることで、あるいは現在地の住所を確認することで、予定通りいっているかどうかを判断できます。
時計を見て予定通りの日数で進んでいるのかも把握できますね。
ただ会社の場合はそのようなものは存在しません。ですので、きちんと把握できる手段を持っておかなければならないのです。
財務諸表
その手段というのが、税理士の先生や経理の方が持ってきてくださる「財務諸表」「試算表」「決算書」と呼ばれるものです。
決算書や財務諸表を見ることで、今自分の会社が正しい位置にいるかどうかを検証できる力を、経営者が持っておかなければ判断ができないのです。
なぜかというと、ご自身の会社だからです。
ご自身の会社のプランですから、どこの位置に今あるのかということは経営者が代表として把握できなければいけないということです。
そのために経営者の方は数字を作る能力は必要ありませんが、出てきた数字を見て正しい位置をきちんと判断できる能力を持っていないと軌道修正も次の戦略も考えることはできない、ということに繋がってくるのです。
この「計数管理能力」を持っている経営者の方は、とても少ないのが事実です。
我々が定期的に開催している【キャッシュフロー経営講座】にご参加いただく多くの経営者が、実はこの「計数管理能力」をお持ちではありません。
逆に言うと、「計数管理能力」を備えた経営者の方は間違いなく成長されています。
まとめ
計数管理能力についてお話しすると、
「確かに毎月数字を見てるけど、見方がよくわからないんだよ」という方や、計画通りに進んでいるのかすらわからない、という方が多く見受けられます。
そのような状態で、本当に目標値まで到達できるのでしょうか。
是非この「計数管理能力」を身に付けていただきたいと思います。
今からでも遅くはありません!自分の位置づけや、計画通りに進んでいるのかということをきちんと判断できるようになる、つまり数字と経営の関連性はそこで存在することになっていきます。
このことについて、是非きちんとご理解いただきたいのです。
中には、数字が苦手だという方も多くいらっしゃるかと思いますが数字に詳しくなる必要はありません。
自分の会社が今どこにいるのか、それを判断するためのポイントを覚えていただければ、財務諸表から容易に立ち位置を把握できるようになります。
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