前回の記事からのつづき
無借金経営・ダム経営の実践
キャッシュフロー経営推進全国会では、無借金経営・ダム経営の実践を強く推進しています。
ただここで誤解の無いようにしていただきたいことは、決して「借入をしてはいけない!」という事ではありません。
借入を行うには「借入の原理原則」が存在し、それに則っていれば良いのだということを覚えておいてください。
さてここで皆様、特に経営者の方々に質問をさせていただきたいと思います。
「自社の借入限度額を知っていますか?」
借入限度額とは
何度も経営者の方に同じような質問をしてきましたが、残念ながら“明確な答え”を出した方にお会いしたことがほとんどありません。
業種によって異なりますが、一般的には月商の6ヶ月以上なら危ない、3ヶ月分以内なら比較的健全といわれています。これは、統計学的な観点からの見解であり、大きくは外れていませんが、業種業態によって当てはまらない場合もありますし、その根拠については、なんともいえないのが実際ではないでしょうか。
実は、すべての人が納得する“すべての企業ごとに厳然とした借入限度額”が存在します!
それを明確に理解していないので、限度額以上の借入を行い、無借金経営には程遠い経営を自ら実践してしまっている、というのが多くの中小企業の実態なのです。
その証拠に、中小企業の場合“一度借入をすれば、永遠に借入を行い続ける”という企業が多いのが実情です。
その原因とは!?
その原因の一つは、「自社の借入限度額」を知らず、それ以上の借入を行っている!
二つ目は、自社の絶対達成しなければならない「必要絶対経常利益高」を知らない!
この二つに尽きるものだと、我々は確信しています。
そのような観点から考えると、“計数を手段と捉え、経営の本質というものを数字を通して理解する”ことが重要になってきます。
無借金経営とは「経営本来のあるべき姿」なのだということを理解していただきたいと思います。
文:キャッシュフロー経営講座 認定講師 山口 真