コロナ禍で高まる企業のBCP対策とは

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新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンドを含む観光需要の落ち込みや国内の客足減少、サプライチェーンの毀損等で、多くの中小・小規模事業者において事業の継続が困難となっている状況にあります。

こうした中、新型コロナウイルス対策として、非常時の対応を定めた『事業継続計画(BCP)』を新たに策定したり、感染症対策を手厚くしたりする中小企業も相次いでいます。

国や自治体も支援を拡大しており、中小企業庁は「コロナ対策をきっかけに取り組みが広がって欲しい」と呼び掛けています。

※中小企業庁 中小企業BCP策定運用指針(東日本大震災後の2012年に改訂)
     www.chusho.meti.go.jp/bcp/

これまでこうした感染症や自然災害に備えBCPを策定している企業の割合は、全体の16.9%に止まっていました(2019年中小企業白書より)。

また、多くの場合は地震や津波、台風といった災害への対策が中心となっており、今回のような感染症が企業経営に与えるダメージについてはあまり考慮されてこなかったという現実もあります。

こうした状況を踏まえ、経済産業省は令和2年度補正予算で感染症対策を含む中小企業強靭化対策事業として6億円を計上しました。

内容としてはBCPを策定する中小企業者等に専門家を無料で派遣し支援する、等の事業が含まれます。

本事業の実施によって、感染症を含む自然災害等への事前の対策を実施していなかった中小・小規模事業者が対策に取り組むことで、感染症の影響による事業の停止によるサプライチェーンの毀損、及び台風等の自然災害による被災を最小限に防ぐ効果が期待されます。

参照:経済産業省 令和2年度補正予算
   www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/hosei/pdf/hosei_yosan_pr.pdf

 

 

BCPとは

そもそもBCPとはどういうものなのでしょうか。

先ほど、すでに策定している中小企業は16.9%と記載しました。

名称は知っているが策定していない、名称を知らず策定していない、という企業が合わせて83.1%となっています。

BCPに対する知識やノウハウを持つ人材の不足や、災害に対して想定すべき対策が多岐にわたりすぎて難しいというハードルの高さが原因と考えられています。

策定までのステップを弊社のBCPから抜粋して紹介いたします。

①自社の方針を決める

(例)

従業員及びその家族の安全を守る

顧客からの信用を守る

従業員の雇用の維持

上記のように、自社の業務に沿った方針を決め、全社員でその認識を共有します。

②初動対応の手順を決める

BCP発動基準 例えば震度6弱以上の地震、など

事前の対応から復旧まで区分分けをし、行動内容を策定

(例)

ステップ1 人命の安全確保、初期消火等地域貢献 など

ステップ2 対策本部の立ち上げ、被害状況確認 など

ステップ3 復旧活動の開始、共通資源(ガソリン・電源等)の確保 など

ステップ4 復旧活動 関係各所への連絡、重要業務の再開、お客様への連絡 など

お客様が来社中の場合の退避誘導、応急手当。

警察や消防への通報等、初動対応も細かくリスト化し、適宜見直して追加・削除等の修正が必要となります。

リスト化したものについて、誰が担当するのか、責任者は誰か、まで策定しておくといざというときに素早く動くことが可能です。

→例えば、社内の情報システムについては〇〇、顧客や関係会社への被害状況の把握は〇〇、等

それぞれの被災状況チェックシートも作成しておくと、災害発生後にも使用でき、見落としを防ぐことも可能となります。

また、主要連絡先リストも同時に作成(随時更新)し社員全員が共有しておくことも必要となります。

 

③ ②の策定と同時に必要な、優先事業の決定

災害発生から時間が経ってきた時に、何から事業を再開するのか、事前に決めておくことも大切です。

 

④社内規定の見直し

災害時の帰宅・出勤停止などの基準はもうありますか?

近年自然災害発生の頻度も年々増加傾向にあるため、見直して修正をしていきましょう。

また、今回の新型コロナウイルス感染症のような感染症に対しての基準も策定が必要です。

BCP策定のメリット

上記を読んで、自社に置き換えて想像していただくといかがでしょうか。

今すぐ策定しよう!!

・・・とはなかなか思えないかもしれませんね。

ただ、BCPを策定することでメリットもあります。

 

①顧客・取引先の信用度が高まる

災害などで実際に被害が生じた後、企業活動の継続や早期復旧をすることで顧客流出の危機にもすばやく対処できます。

日頃から関係各所にBCP策定について話しておくことで、いざというときでも対応してくれる企業なのだという印象を与え、また実際に災害が起こった場合でもBCPに沿った行動を取ることで安心感を与えることができます。

これらが企業評価への向上とつながってきます。

②損害の最小化

緊急時にどうするのか、これを考えて策定しておく過程において、想定できるリスクが明確化し、臨機応変の対応が可能となります。結果として、損害を最小化していくこととなります。

また、BCP策定をきっかけに社員全体が防災意識の向上、また迅速な対応へとつながります。

防災対策との違い

防災対策ならすでに取り組んでいる、という方も多いかと思います。

防災対策=事前対策。自然災害から自社の現物資産を守る。

BCP=事後対策事業の継続性を守り、関係企業と協力して復旧へとつなげていく。

という違いがあります。

 

 

栃木県は、平成27年より東京海上日動火災保険と連携し、県内事業者のBCP策定支援に取り組んでいます。

コロナウイルス感染症の拡大についても対応しており、無料で専門家の派遣(東京海上日動より)や策定の支援を行っています。

まとめ

コロナ禍で高まる、企業のBCP対策。

策定支援の事業等、まず調べてみてください!

そして、自社の想定すべきリスク等を洗い出し、BCP策定の第一歩を踏み出してみましょう。

 

文:キャッシュフロー経営講座 認定講師 渡辺 幸信


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