キャッシュフロー計算書の見方

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キャッシュフローと会計のズレについてご説明させていただいてから2週間経ってしまいましたが、本日はいよいよキャッシュフロー計算書の見方について具体的にご説明していきたいと思います。

キャッシュフロー経営とキャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、企業の資金繰りに着目し、どのような経営状況にあるのかを知るための重要な財務諸表となります。

損益計算書上では黒字であっても、キャッシュフローが赤字であった場合「黒字倒産」となる危険があります。

自社の経営状況を適切に管理し、キャッシュフロー計算書が経営のナビゲーションになっていなければなりません。

 

キャッシュフロー計算書の重要性

 

経営者の方が持つ疑問のひとつに「利益は出ているのに資金繰りが思わしくない」ということがあると思います。

利益を上げることは資金繰りをよくするための絶対的な条件ではありますが、利益=資金繰りではありません

このような疑問や問題点を的確に表すのが【キャッシュフロー計算書】になります。

キャッシュフロー計算書は、一年間などひとつの会計期間における収入(入ってくるお金)と、支出(出ていくお金)のみを示した財務諸表のひとつです。

損益計算書と似た財務諸表ではありますが、損益計算書「損益」を表すのに対し、キャッシュフロー計算書「収支」を表しているという点が異なっています。

「わが社はどのようにお金を作ってきたのか」または「どのような使い方をしたのか」や、売掛金回収状況在庫状況など、数多くの経営情報を読み取ることができるのです。

キャッシュフロー計算書の見方

このキャッシュフロー計算書は、期首と現在の現金の増減、及び前期との比較を見ています。

現金をどのように集め、どのように活用し現在の状況になったのかを分析する必要があります。

仮に現金が増加傾向にあったとしても、「営業的なものによるものなのか」「借入等によるものなのか」あるいは、「固定資産の売却等によるものなのか」など、本質的な見方をしていかなければなりません。

では、ひとつひとつ見方をご説明いたします。

 

営業活動によるキャッシュフローの見方

 

営業活動によるキャッシュフローとは、キャッシュフロー計算書のうち、企業の営業取引から生じた収支を表す部分です。

具体的には、次のような取引が対象となります。

・現金での売上取引

・売掛金を現金で回収した場合の収入

・現金での仕入取引

・買掛金を現金で支払った場合の支出

キャッシュフローは、現金で売り上げた場合に収入として計上します。

また、損益計算書とは異なり、売掛金を回収した場合にも収入として計上します。

営業活動によるキャッシュフローは

①順調な利益確保 ②順調な回収管理 ③適正な在庫管理

等、企業の資金繰りが正常である場合で、営業活動が順調に推移している場合はプラス( + )で示されます。

そのため営業活動によるキャッシュフローがマイナス( – )を示している場合は

①利益不足 ②売掛債権回収(不良債権)及び支払いサイトのバランスが悪い ③過剰在庫 ④短期貸付金 ⑤仮払金 等の増加

等で営業活動がうまくいっていない、または資金繰りに異常が生じていることがわかってきます。

投資活動によるキャッシュフローの見方

 

投資活動によるキャッシュフローとは、キャッシュフロー計算書のうち、企業の投資活動から生じた収支を表す部分です。

例えば、次のような取引が対象となります。

・工具器具備品を現金で購入した場合の支出

・有価証券を売却した場合の現金収入

投資活動によるキャッシュフローは

①設備投資の発生(売上・利益に貢献する設備投資であれば健全) ②保険金積立金 ③有価証券の購入 ④出資などの投資

等を行った場合にマイナス( – )を示します。

プラス( + )を示す場合は

①遊休資産の売却 ②保険金積立金の解約

等、投資を回収(売却)した場合となります。

事業活動拡大を目指すステージにある企業は、通常、投資活動によるキャッシュフローがマイナス( – )を示しています。

 

財務活動によるキャッシュフローの見方

 

財務活動によるキャッシュフローとは、キャッシュフロー計算書のうち、企業の財務取引から生じた収支を表す部分です。

例えば、次のような取引が対象となります。

・借入金の借入による収入

・借入金を返済したことによる支出

・配当による支出

財務活動によるキャッシュフローは、①長期及び短期借入金の発生 ②社長及びその他からの借入 等を行った場合にプラス( + )を示します。

また、①長期及び短期借入金の返済 ②社長及びその他への返済 等を行った場合にマイナス( – )と示しています。

キャッシュフロー計算書全体からの分析方法

 

キャッシュフロー計算書は上記で解説した、営業キャッシュフロー・投資キャッシュフロー・財務キャッシュフローの3つの区分から構成されています。

それぞれがプラス( + )かマイナス( – )かで企業が置かれている状況がある程度分析できますので、参考にしていただければより一層理解を深めていただけると思います。

  パターン1 パターン2 パターン3 パターン4 パターン5 パターン6
  優良企業 積極的投資型企業 業績回復型企業 借入依存型企業 要再建型企業 重度再建型企業
営業キャッシュフロー + + +
投資キャッシュフロー + + +
財務キャッシュフロー + + +

このキャッシュフロー計算書を利用した経営分析においては、フリーキャッシュフローという概念も重要となってきます。

フリーキャッシュフローとは、企業が自由に充てられるお金のことを示しており、以下の式により算出できます。

 

フリーキャッシュフロー=営業活動によるキャッシュフロー + 投資活動によるキャッシュフロー

 

自由に充てられるお金、といっても通常はこのキャッシュフローを財務活動(資金を提供してくれた相手)に充てる必要があります。

そのため、フリーキャッシュフローがいくらあるのかを認識することは、債権者に対する返済能力を認識することに繋がってくるのです。

 

まとめ

本日はキャッシュフロー計算書の見方について具体的に説明してきました。

いかがでしたでしょうか?

次回以降、資金繰り表の作成方法についても解説したいと思いますのでどうぞお楽しみに!

毎月開催中のキャッシュフロー経営講座でも詳しく解説、そして実際に分析する力をつけていただいています。是非こちらもご参加をご検討ください。


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