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将来の備えと節税

節税と聞くと、経営者の場合まず思い浮かぶのは“法人税”ではないでしょうか。

法人税の基本税率は、昭和59年の43.3%から現在は23.2%となっています。

一方で、経営者個人の所得に掛かる所得税や住民税は、今後の我が国の社会保険料の負担増を鑑みると、経営者の手取りが下がる傾向にあるのではないでしょうか。

そこで今回は、経営者の手取りを増やすことができる小規模企業共済について解説いたします!

小規模企業共済制度とは

国の機関である中小企業基盤整備機構が運営する小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員、個人事業主などのための積み立てによる退職金制度です。現在、全国で約133万人の方が加入されています。

掛金は全額を所得控除できるので、高い節税効果があります。

将来に備えつつ、契約者の方がさまざまなメリットを受けられる、おトクな制度です。

資産運用残高は約9兆4,125億円です。平成29年度の受給状況は、共済金受給額が約4,838億円、共済金受給額の平均は1,087万円、共済金受給者の平均在籍年数は約19年となっております。(平成30年3月末現在)

 

★小規模企業共済のおトクな3つのポイント

 

ポイント1 掛金は加入後も増減可能、全額が所得控除

月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能、また、加入後も増額・減額ができます。

確定申告の際には、その全額を課税対象所得から控除できるため、高い節税効果があります。

ポイント2 共済金の受け取りは一括・分割どちらも可能

共済金は退職・廃業時に受け取り可能です。満期や満額はありません

共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能です。

一括受け取りの場合→退職所得扱い

分割受け取りの場合→公的年金等の雑所得扱い

上記のようになるため、税制メリットもあります。

ポイント3 低金利の貸付制度を利用できる

契約者の方は掛金の範囲内で事業資金の貸付制度をご利用いただけます。

低金利で、即日貸付も可能です。

~様々な貸付制度~

【 一般貸付 / 緊急経営安定貸付 / 疾病災害時貸付 / 福祉対応貸付 / 創業転業時・新規事業展開等貸付 / 事業承継貸付 / 廃業準備貸付 】

 

★こんな時に請求ができます。

 

共済金A

◆法人が解散した場合

共済金B

◆病気、怪我の理由により、または65歳以上で役員を退任した場合

※平成28年3月以前に、病気又は怪我以外の理由による退任をしたときは、「準共済金」となります。

◆共済契約者の方が亡くなられた場合

◆老齢給付(65歳以上で180ヶ月以上掛金を払い込んだ方)

準共済金

◆法人の解散、病気、怪我以外の理由により、または65歳未満で役員を退任した場合

解約手当金

◆任意解約

◆機構解約(掛金を12ヶ月以上滞納した場合)

★共済金はいくらもらえる?

小規模企業共済制度では、掛金の納付月数及び共済事由ごとに、お受け取りになれる基本共済金(固定額)が規定されています。

基本共済金のお受け取り例は以下の通りです。

なお、毎年度の運用収入等に応じて、経済産業大臣が毎年度定める率により算定される付加共済金がある場合は、その金額が加算されます。

掛金納付月数が、240ヶ月(20年)未満で任意解約をした場合は、掛金合計額を下回ります

掛金納付月数掛金月額500円を1口とした掛金区分ごとに数えます。

加入期間が240ヶ月以上でも、途中で掛金を増額/減額した場合で掛金区分ごとの掛金納付月数が240ヶ月を下回ったときは、任意解約した場合に受け取れる解約手当金が掛金合計額を下回ることがあります。

(例)掛金月額1万円で加入された場合

掛金納付月数 5年(掛金合計額:600,000円)
共済金A 621,400円
共済金B 614,600円
準共済金 600,000円

 

掛金納付月数 10年(掛金合計額:1,200,000円)
共済金A 1,290,600円
共済金B 1,260,800円
準共済金 1,200,000円

 

掛金納付月数 15年(掛金合計額:1,800,000円)
共済金A 2,011,000円
共済金B 1,940,400円
準共済金 1,800,000円

 

掛金納付月数 20年(掛金合計額:2,400,000円)
共済金A 2,786,400円
共済金B 2,658,800円
準共済金 2,419,500円

■詳しくはこちらをご参照ください。

【中小機構 共済金額の額の算定方法】

https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/proceed/frr94k000000fm41.html

 

★受取方法

共済金等の受取方法は、「一括受取」「分割受取」及び「一括受取と分割受取の併用」の3種類です。

なお、「分割受取」及び「一括受取と分割受取の併用」を希望する場合は、以下の要件のすべてを満たす必要があります。

共済金Aまたは共済金Bであること

■請求事由が共済契約者の死亡でないこと

■請求事由が発生した日に60歳以上であること

■共済金の額が次の通りであること

○分割受取の場合:300万円以上

○一括受取と分割受取の併用の場合:330万円以上(一括で支給を受ける額が30万円以上、分割で支給を受ける額が300万円以上)

★税法上の取扱い

共済金及び解約手当金は、受け取る際の年齢や一括または分割などの受取方法などで税法上の取扱いが異なります。

受取方法 税法上の扱い
共済金または準共済金を一括で受け取る場合 退職所得扱い
共済金を分割で受け取る場合 公的年金等の雑所得扱い
共済金を一括・分割併用で受け取る場合

(一括分)退職所得扱い

(分割分)公的年金等の雑所得扱い

遺族が共済金を受け取る場合(死亡退職金) (相続税法上)みなし相続財産
65歳以上の方が任意解約をするまたは65歳以上の共同経営者が任意退任をする場合 退職所得扱い
65歳未満の方が任意解約をするまたは65歳未満の共同経営者が任意退任をする場合 一時所得扱い
12ヶ月以上の掛金の未払いによる解約(機構解約)で解約手当金を受け取る場合 一時所得扱い

 

まとめ

法人での節税効果が薄くなっていますので、役員報酬を増額し小規模企業共済を活用することで、会社と社長の財布を使い分け節税することが可能な制度です。

将来の備えとしての積み立てにも有効な制度だと思いますので、是非ご活用してみてください!

 

文:キャッシュフロー経営講座 認定講師 渡辺 幸信

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