皆様こんにちは。
キャッシュフロー経営推進全国会認定講師の山口です。
さて、今回は「吉野家の値上げから考える これからの中小企業」と題してお話をさせていただきます。
全世界的なインフレや円安というダブルパンチに見舞われている中、食糧価格の高騰が懸念されていますね。
すぐに収束しそうにもなく、外食産業は抜本的な戦略転換を迫られそうな状況です。
牛丼の値上げ
その代表的な例として吉野家がよくニュースになっていますが、同社は2021年10月29日に主力商品である“牛丼”の値上げを発表しました。
(並盛)税込387円⇒426円、と39円の値上がりです。
値上げの理由は、このところ急ピッチで進む世界的な食糧価格の高騰は言うまでもありませんが、近年の中国との買い付けの競合も挙げられています。
加えて米中の経済的な対立も牛肉価格の高騰要因となっており、最近ではコロナ危機からの回復期待によるインフレが進み、吉野家の牛丼で使われる部位のショートプレートの価格がさらに跳ね上がり、3~4年前は1キロ600円台であった卸値が1,000円を超えてきたということです。
しかし、ここまで原材料の価格が上がっているにもかかわらず、今回39円の値上げで済んでいるのは、吉野家の企業努力の賜物といってよいのではないでしょうか。
ただし、原油の価格上昇もコスト増加に拍車をかけており、今起こっている食糧価格の高騰というのは一時的な現象ではなく、今後も継続的に続く可能性が高いということを認識しなければならないでしょう。
つまり、今回の値上げで問題が解決するというわけにはいかないであろうということです。
プラスして円安懸念もささやかれており、もはや企業努力によって価格を据え置くというやり方は限界に達しているのではないでしょうか。
中小企業への影響
一連の動きは吉野家に限ったことではなく、あらゆる飲食関係会社にも共通する課題であると思います。
さらに言いますと、大企業の失速により中小企業にも大きな影響を及ぼしてくることも予想されます。
更に新型コロナウイルスの影響で受けた融資の返済猶予期間が終わり、苦しい経営状況の中、返済を強いられる企業も多くなることと思います。
融資総額のうち約6割が不良債権化するのではないかという厳しい予想もされているようですが、逆に言うと、もう地方の銀行の体力もなくなり、リスケをすれば良いだろうという考えは通用しなくなるということにもなります。
今後銀行の合併による淘汰が加速し、融資条件や返済条件に関してはますます厳しくなると思われます。
今こそ、経営の抜本的改善を本気で考えなければいけない時期ではないでしょうか。
数字に弱いなどと言ってはいられません。
数字を的確に管理し正しい判断、舵取りをおこない、借りなくてよい、利益をきちんと出せる経営体質を真剣に考え導いていかなければ、経営者の末路は悲惨なものとなるでしょう。
まとめ
少し脅かしめいた話ではありましたが、それくらい日本は厳しい状況下にあるのだということを認識していただいたうえで経営に取り組んでいただきたいという強い思いでかかせていただきました。
そんな中ではありますが、弊社で開催している3日間のキャッシュフロー経営講座について、コロナ禍における暫定的受講料として設定していた30,000円(税込)を来年4月より100,000円(税込)に戻させていただきます。
早く問題に気づき、実行することも含めて、是非3月までに受講されることをお勧めいたします。