以前投稿した記事【無借金経営・ダム経営のススメ】に引き続き、キャッシュフロー経営推進全国会が皆様にお伝えしたいことについてご紹介させていただきます。
数字の重要性
まずここで以前の投稿より大事な点を、復習のためにもう一度書かせていただきます。
皆さんも健康診断をうけていらっしゃると思います。
何か指摘されていることはありますか?なぜ、良いか悪いか判断ができるのでしょうか。
恐らく、基準とする数値があるからではないかと思います。では、その数値が見えなかったとしたら、良いか悪いかの判断はどのように行うのでしょうか。
人は、定期的に健康診断を受け、数値化して確認をすることで健康かどうかの判断ができるわけですし、その結果を受けてその数値を正常にしたい、健康になりたい、と次のアクションへ移ることができるのではないでしょうか。
では、会社はどうですか?
自分の会社はどうなのでしょうか?健康にしていきたいですか?・・・それとも不健康でよいのでしょうか?
もちろん、健康になりたいですよね!
繰り返しになりますが、我々は【計数管理能力】を経営者の皆様に身につけていただきたいと考えています。
数字とは共有ツールである
数字というのは客観的に参加者が全員で共有できる、最も分かりやすい道具だと思っています。
例えば、従業員に対してただやみくもに「売り上げを上げろ!」と言ったところで、一体どれくらい売り上げを上げれば良いのかもわからないですし、「もっと利益を上げるんだ!」と言われても、何%を設定しているのかわからなければ、従業員は戸惑うばかりです。
でも実は、このようなことは会社内でもたくさん起こっていることなんですよね。
ここで一つ事例をあげてみます。
「時間厳守」という言葉を社内で浸透させようと考えた場合。
「時間厳守」と言われたら・・・
・時間ギリギリに到着したらセーフ!と思う人
・いやいや、それは5分前だよね、と言う人
・5分なんてギリギリだよ、10分前だ!いや、30分前でしょ!という人
人により考え方が様々で、意見が分かれるのではないかと思います。
つまり、「時間厳守」という言葉ひとつとってみても、受け取る人によって全然捉え方が違うものなのだという事を認識する必要があるのです。
例えばここに、「時間厳守 10分前集合」という言葉を付け加えるとどうでしょうか。10分前という数字を付け足したことで明確に共有することが可能となります。
このようなことを社内でどれだけ生かせているか、というのが経営者のひとつの在り方なのではないでしょうか。
経費も然りです。
ただ漠然と「経費を下げろ!」ではなく、明確に「今月は〇〇〇〇円以内にしよう」と伝えたほうがわかりやすいですよね。
そういった意味で数字というのはお互いの行き違いを防ぐための共有ツールであることがご理解いただけるかと思います。
共有することの重要性
強い会社は、毎月損益計算書を全社員に配布していたり、会議資料として配布し現状を説明したりしています。
わが社でも、損益計算書を毎週社内で共有するようになってから、社員の意識も大きく変わり、その結果行動が変わり、瞬く間に利益体質へと変化していきました。
損益計算書などの帳票ツールを使い、目指すべき指標を明確にし、それを共有することによって、現在の状況が〇なのか✕なのか判断することもできます。
そしてまた、伸びしろを探すこともできるのです。
このような取り組みをすることで、新たな課題が見つかり新たな目標も生まれてくることでしょう。
まとめ
このように、みんなで考えて取り組むことができる会社なら、絶対に良い会社になっていくと思いますし、理想的ではないかと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。
残念ながら、多くの会社ではこのこと自体を、トップである経営者が認識できていません。
これってつまり、会社で働いている全社員もわからない、ということになりますよね。
我々キャッシュフロー経営推進全国会では、この状態のことをどんぶり経営と呼んでいます。
そのような状態にならないためにも、月に1回、1時間でも良いので、自社の前月の業績、会社の業績がどうだったのか、社が一体となって真剣に分析することをお勧めいたします。
そのことで、何をどう改善すべきなのかという事が必ず見えてきます!
そして、その改善点に対して次のアクションを起こすことが出来ます。
結果、利益を意図的に出していく、ということに繋がっていくのです。
文:キャッシュフロー経営講座 認定講師 山口 真